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2002/09/04(Wed) 介護保険料、6段階に

厚生労働省は、65歳以上の介護保険料について、所得に応じて5段階の金額を設定するという原則(横浜市など全国11の市町では独自に6段階の保険料を設定)を見直し、6段階に設定し直すよう市町村に働きかける方針を明らかにした。高所得の高齢者からより多くの保険料を徴収し、その財源で低所得者の保険料を軽減することが目的。【YOMIURI ONLINEより】

<コメント>
65歳以上の介護保険料は、来年4月の見直しで全国平均で11.3%上がる見通し(確定は来年1月頃の予定)だが、同時に物価スライド制の凍結解除による年金の減、医療費の自己負担の増が予定されており、高齢者の家計に大きく影響しそうだ。これらを考慮して介護保険料の上げを高所得者層で吸収するのがねらいか?

2002/09/05(Thu) 厚生年金、失業者も継続加入へ

厚生労働省は、失業した会社員や次の仕事に就くまで待機している派遣労働者が希望すれば厚生年金に継続加入できる制度を導入する。失業期間分の老後の厚生年金の減や休職期間中の死亡や障害をカバーするのがねらい。2004年の年金制度改革案に盛り込む方向。
保険料は本人が事業主分も含めて全額負担する案が有力だが、企業の人員整理で失職した「非自発的離職者」には負担軽減策導入も検討する。【日本経済新聞より】

<コメント>
最大のメリットは、一時的な失業に伴う求職中の死亡や障害に対して厚生年金から給付を受けられる道を開いた点だと思う。
保険料負担の問題もあろうが、昨今の失業が長期化しているなか、継続加入期間の設定によって実際のメリットは大きく左右されるものと思われる。今後の動向に注目したい。

2002/09/06(Fri) 社会保険・労働保険徴収事務一元化、ネットで届出OKに

厚生労働省は、社会保険と労働保険の徴収事務を一元化するため社会保険事務所内に「徴収事務センター」を2003年10月に設け、事業主が両保険の届け出を1カ所でできるような仕組みを新設することを決めた。また、事業主がインターネットを使って保険料の算定などに必要な届け出を一括してできるようにし、社会保険事務所や労働基準監督署の窓口に出向く手間を省く工夫をする。【asahi.comより】

<コメント>
ようやく…という感じでしょうか。事業主のみなさまにとって少しでも事務手続が簡略化されることは喜ばしいことです。
よく「社労士の出番が減るんじゃないの?」と言われますが、事務手続がどう変わろうとも、我々社労士が多方面から事業主のみなさまをサポートさせていただくことに変わりはありません。

2002/09/07(Sat) 悪質なら差し押さえも、国民年金未納者の強制徴収検討

自営業者らが入る国民年金の保険料を納めない人が増えているため厚生労働省は、悪質な未納者に対し国民年金法に基づき、預金など財産の一部を差し押さえる強制徴収を検討する。未納者が増え続ける事態を放置したままでは制度の信頼性を損なうとの判断からだ。同省は10日の社会保障審議会・年金部会での議論も踏まえ、具体的な方策づくりに入る。【asahi.comより】

<コメント>
税金などに比べ甘すぎると言われ続けてきた国民年金保険料の徴収。厚生労働省もやっと重い腰を上げるのかというのが正直な感想。国民年金の未納率は2000年度で27%と言われており、一見して異常な数字と映る。何故こんなになるまで放置してきたのか?この4月から保険料徴収事務が市町村から国に移り、未納者の把握が容易になったからというが、そんなのは言い訳に過ぎない。
ただ、未納者の急速な増大は経済の長期低迷によるところも大きいが、一方で年金不信が影響しているのも事実で、徴収強化と同時に年金不信を取り除いていく努力が欠かせないと思う。

2002/09/08(Sun) 住宅公庫ローン肩代わりの保証協会 滞納者増え収支悪化

住宅金融公庫のローン返済が滞った時に肩代わりする保証協会の収支が、急速に悪化している。失業や賃下げで返済に行き詰まるケースが急増する一方、債権の回収が進まないためだ。協会の保証収支は5年連続の赤字だ。協会は収支の悪化を食い止めるため、11月から新規融資の契約者が支払う保証料を引き上げることを決めた。【asahi.comより】

<コメント>
保証協会による代位弁済額は11年連続で増え続けているという。保証料の引き上げは2000年10月に15年ぶりの引き上げを実施して以来の引き上げとなり、その間の代位弁済額の急増ぶりがうかがえる。勤務先の倒産や経営不振による賃下げ、失業による滞納者が多いのは言うまでもないが、当初から返済計画に無理があった例も多いとか。住宅取得プラン策定には慎重を期したい。

2002/09/09(Mon) デフレ対策、年金基金で投信購入など提案

政府・与党は9日昼、首相官邸で連絡会議を開き、株価の急落を踏まえた新たなデフレ対策を協議した。自民党は(1)年金資金と郵貯・簡保資金を活用してETF(株価指数連動型の上場投資信託)を積極的に購入し、日銀による直接購入も実施する(2)企業の研究開発減税や設備投資減税を早期に実施する――など6項目の対策を提案した。【NIKKEI NETより】

<コメント>
現状を打破するためには年金資金の活用もいたし方ないのかもしれないが、どう考えても本来の趣旨から逸脱している感は否めない。
また、6項目の対策案の他の項目には証券税制の改正も含まれているが、もともと来年1月からの新証券税制の目的の1つは低迷する証券市場を活性化させることだったはず。しかし、複雑でわかりにくく、特に個人投資家から敬遠されるのは素人目にもわかる。どうもチグハグな政策に映る。

2002/09/10(Tue) 生活水準の世代間格差が拡大・厚労白書

坂口力厚生労働相は10日の閣議に、2002年版の厚生労働白書を報告した。生活水準は25年前と比べ、50歳以降の中高年で大きく改善したものの、40歳前後までの比較的若い世代では改善が小幅にとどまり、世代間の格差があると分析。年金制度改革では給付と負担のあり方を見直し、「世代を超えて納得できる制度づくり」が重要と指摘している。【NIKKEI NETより】

<コメント>
若い世代の年金不信・不公平感を増幅させることにならないか心配だ。少子高齢化が進むなか、社会保障制度を支える現役世代の負担はすでに重い。損得勘定だけで社会保障制度をとらえるべきではないが、正に“世代を超えて納得”できる制度への見直しが絶対必要な時期に来ている。次期年金制度改革に少なからず影響を与えそうな分析結果だ。

2002/09/11(Wed) 国民年金、保険料免除制度を拡充へ 低所得へ配慮

厚生労働省は10日、社会保障審議会年金部会で、国民年金保険料の免除制度を拡充する考えを示した。現行制度は全額か半額免除だけだが、所得に応じて免除額を3〜4段階に増やすことを検討する。定額の保険料を払う国民年金でも、厚生年金のように所得に応じた負担の仕組みを取り入れることで低所得者に配慮し、保険料の未納防止にもつなげる考えだ。【asahi.comより】

<コメント>
現行の申請免除制度では全額と半額免除(今年4月から)だけだが、「3分の1」や「4分の1」免除の導入が考えられているという。給付額を算定する際に全額免除期間は3分の1に、半額免除期間は3分の2に減額されるが、全額免除でも3分の1が給付されるのは保険料の3分の1を国が負担しているため。「3分の1」や「4分の1」免除の場合も現行の半額免除と同様に、保険料を自己負担する残り3分の2のうち免除を受けた割合で給付額が減額されることになろう。ただでさえ多いといえない国民年金が減ってしまうのは困りもの。保険料負担が極めて苦しい一時期をしのぐには朗報だが、ご利用は慎重に…。

2002/09/12(Thu) 子育て支援へ「短時間正社員」後押し――少子化対策で政府原案

政府が9月中にまとめる少子化対策の原案が明らかになった。身分は正社員のまま子育てのために短時間の勤務ができる「短時間正社員制度」の普及に社会全体で取り組むことを表明。育児期に一時的に収入が減る社員の将来の年金給付額を加算する方策も検討する。男性を含めて仕事と子育てを両立しやすくし、少子化の進行に歯止めをかける。【日本経済新聞より】

<コメント>
どんな制度に仕上がるのか見守りたい。ただ、制度自体ももちろん大事だが、育児休業の男女別取得率の大きな違いに見られるように、仕事と育児に対する企業や社会全体の意識が大きく変わらないとどんな制度が導入されても難しいんじゃないかと思う。まだまだ時間がかかりそうだ。

2002/09/25(Wed) 年金制度、若者の4割不満

20、30歳代の4割以上が年金制度に不満を持つ一方、60歳代以上の約8割が賛成していることが、厚生労働省の年金制度の意識調査で明らかになった。高い保険料を負担する現役世代と、年金を受け取る高齢世代との年金への信頼感の差が浮き彫りになった。【YOMIURI ONLINEより】

<コメント>
ここで賛成・反対の対象になっている年金制度とは、現役世代が納める保険料をその時点の高齢世代が受け取るいわゆる「世代間扶養」の仕組みのこと。細かいパーセンテージはともかく、おおよその傾向は調査結果を待つまでもなく察しがつく話だ。今後さらに現役世代の負担増が予定されているが、生活水準の世代間格差拡大という調査結果も出ており、ますます若年層の不満に拍車がかかることが危惧される。

2002/09/26(Thu) 民間の平均給与454万円 過去最大の減少幅

民間企業のサラリーマンやOL(平均年齢43歳)が昨年1年間に得た平均給与(給料・手当・賞与の合計)は454万円で、前年を7万円下回り、4年連続で減ったことが26日、国税庁の「民間給与実態統計調査」でわかった。減少幅は過去最大。【asahi.comより】

<コメント>
4年連続減とういことだが、過去3年間は業績の影響を受けやすい賞与は毎年減っていたものの、給料・手当はほぼ横這いを保っていた。今回は給料・手当の減少も大きく、トータルで過去最高の減少幅となった。デフレが続くなか、いよいよ賃下げによる家計の圧迫が本格化してきており、個人消費の回復は遠そうだ。

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